只今、2件の実施設計がほぼ同時に進行中です。
まず1軒目は名古屋市内に建設予定の「五軒家の家」。鉄筋コンクリート造のガレージハウスです。敷地の傾斜に沿うように積み上げていった四角いボリュームが、ダイナミックな存在感と上昇感を伴ったリズミカルな展開を生み出します。
そして二軒目は瀬戸市の「西窯の家」。こちらは木造二階建ての住宅です。
周囲には窯元も多く、橙色や赤茶色をした独特な色の瓦で葺いた住宅も残っています。ここの敷地に建っている古屋にもその瓦が使われているので、外構に上手く活かす事ができないか思案中です。
ところでこの二件の住宅には、コートハウスでは無いと言う共通の特徴があります。私はプライバシーが確保され、個人的な領域に区切られた中庭=外部空間に対して開放的にできるコートハウスをよく設計しています。
しかし今回の二件の敷地はどちらも面積にゆとりがあり、近隣との関係性を検討した結果、壁で取り囲む事なく普段の私の設計の特徴を出せると考えた為、道路側に対して背を向けて反対側にオープンな庭を作る手法で設計する事にしました。
また私はお施主様の色、あるいは言葉にすることが難しい雰囲気の様なものを打合せ等を通じて感じ取り、それを建築に表現するようにしています。今回の二件もそれぞれにお施主様の持っている空気感が上手く現れるよう、実施設計の詰めの作業へと進んで行くところです。