設計実例「FloatingSlabs」
トンネル状のエントランスからリビングへ入ると、二層吹き抜けの大空間が来訪者を迎えてくれます。完全なプライバシーが確保された中庭に面した大開口サッシからは、タイル張りのアウトドアリビングと雑木林から切り出されたかのようなアオダモ、そして限りなく広がる天空を望むことができます。
ソファに腰を下ろした時、あたかも別荘を訪れたかのような寛いだ雰囲気を醸し出す為、両サイドに中庭をレイアウトしました。また天井の米杉材が、ややクールな印象のリビングに温かみをもたらしています。照明を埋込にすることでより空間から雑味を取り除いています。
浮遊感のある壁掛けのテレビボードは、オーダーキッチンも手掛ける「プリマヴェーラ」との共作です。さりげないデザインではありますが、フレームレスのブラックガラスのドアなど、そのディティールはかなり凝ったものになっております。
振り返ると鉄骨階段が印象的な杉板打ち放しコンクリートの壁と、右奥にダイニングキッチンへと流れるように空間がつながっている様子が分かります。
コンクリート壁の中に鉄骨部材を打ち込んでありますが、一段一段分厚い鉄板が型枠を貫通させ、その上から杉本実板を一枚づつ張付けるという、とても手の混んだ作業を行っております。そしてコンクリートを流し込むのですが、非常に施工難易度が高い工程です。一生懸命取り組んでくれた監督さんと職人さんの汗と涙の結晶といえるでしょう。
次回はダイニングキッチンへとご案内予定です。お楽しみに。