だいぶ間が空いてしまいましたが、名古屋建築選の第2回です。名古屋といっても名古屋圏という意味でして・・・今回は名古屋駅から電車で西へ約20分弱、三重県の桑名市に現存するジョサイア・コンドルの作品です。
このジョサイア・コンドルという建築家は、日本近代建築の父と言われております。というのも日本政府が、欧米列強に負けじと近代化を急速に進めていた明治10年にイギリスより招聘され、辰野金吾(東京駅を設計)や片山東熊など日本人建築家を育てたから。
彼自身の作品は東京を中心にいくつか現存していますが、その内の一つが桑名市にある「諸戸 清六邸」です。
この洋館を建てた「諸戸 清六」は、父の残した多額の負債を、米穀業を起こしてわずか3年で完済し、後に日本一の大地主となった方です。桑名の自宅から堺まで他人の土地を通らずに行けたそうな・・・。その一方で、私財を投じて桑名市内に無料の上水道を整備する等、社会貢献も行ったという経営者の鑑のようなお方。
現在は「六華苑」として整備公開されています。コンドルが手がけた4層の塔屋が特徴的な洋館はもちろん、国の名勝に指定されている池泉回遊式の日本庭園や、その他の建築物も必見です。
ぐるっと一回りした後、傍らに建つレストハウスでお茶をしたかったんですが、残念ながら本日貸し切り・・・でした。
「六華苑のホームページへ」
Tel:0594-24-4466