先日、とある学校の付随施設を見に、岐阜県まで脚を運びました。今では世界中で活躍している女性建築家が、日本建築学会賞を受賞した出世作です。しかし、まるで廃虚のようなその有り様に愕然としました。
建築・デザイン関係者ならば誰でも知っているこの施設。そのディティールは専門家が一目見れば問題だらけ。あまりにも細すぎた手すりは折れ、屋根の防水はその用を足さず、トップライトからは雨が漏れる。しかも以前、相当な費用をかけて修繕工事を行ったはずです。今では放置されている様子で、倉庫としてすら使われてなさそうでした。
一般の方がご覧になったら「何でこれが日本建築学会賞?」と首を傾げるに違いありません。スペイン人のプロダクトデザイナーを連れていった時には「写真映りは良いけど・・・。」とガッカリしていました。我々、専門家にとっては反面教師な建築です。