久々に銀座へも足を運びました。国内外の一流ブランドが、これまた一流の建築家に依頼して生まれた建築の数々。さながら建築家の見本市の様です。左側が「伊東豊雄」の「ミキモト」で、右が「乾久美子」の「Dior」。銀座のブランドビルに共通するのが、一つのデザイン言語でファサードを表現しているという点でしょうか。ですから何階建てのビルという様な常識的な表れ方ではなく、ビルを丸ごとラッピングした様な印象です。ブランドのロゴは小さいのですが、非常に強いアピアランスを感じます。
ただ「ミキモト」の特徴的な外観は構造も兼ねている所が他との差異。不整形な窓、と言うよりも孔が壁にランダムに開けられていて、もはやどこにフロアがあるのか判別が付きません。何で出来ているのか、どのように作ったのか。興味が尽きないですが、それ以上に建築家の根本的なイメージがより純粋な形態として表れている事に感動します。
でもやっぱり一番好きな銀座のビルは、「坂茂」の「ニコラス・G・ハイエック・センター」。スウォッチグループの七つのブランドが入っている旗艦店ですが、面白いのはそれぞれのブランドごとに専用のエレベーターがあると言う事。
それら一つ一つのエレベーターは小さなガラスのショーケースの様にデザインされているのですが、突然宙に舞うようにして浮き上がっていく様はまるで宮崎アニメ。油圧式エレベーターを駆使したかなりハイテクなデザインですし、構造的にも複雑なのですが、それを感じさせない品の良さが素敵です。
ちなみに上の写真で男性と女性が歩いている床。ここは時間貸し駐車場の入り口です。まだこのビルを訪れた事のない方には、ぜひこの空間を体験して頂きたいです。