お引き渡しを週末に控え、本日は「御幸山の家」の写真撮影。
昼からは生憎の曇り空になってしまいましたが、向かいの神社の境内には見事なソメイヨシノが咲き誇っていました。黒い木塀と淡い桜の花びらの対比がいかにも日本的な風情を醸し出しています。
木塀を門型の様に切り欠いた部分は、街区に対して開かれた庭になっていて、周辺の景色との連続性を意識してデザインしました。私は自分が設計した家が建つ事により、その地域の特色をより引立たせたいと考えています。
住宅とは間違いなくそこに住まう人の所有物ではあるのですが、決して周囲の環境とは切り離す事ができない物であり、それらを無視して住宅をつくる事はできません。自動車や家電製品の様な、それ自体で自立したプロダクトデザインとの大きな違いでもあります。
御幸山の家の場合は、向かいにある神社の境内の森と大和塀のイメージを写し取るようにしてファサードをデザインしました。やや直喩的な表現ではありますが、それだけに明快なメッセージが街ゆく人に伝わっているのではないでしょうか。
神社の桜は室内からも愉しむ事ができます。黒い木塀が手前の植栽だけでなく、奥に見える境内の森も際立たせています。
また今回はトステムの新しいサッシを採用しました。ペアガラス用のサッシとしてはフレームが細く、従来の製品よりも目障りで無いのが良いです。ちょっと高いのが難点ですかね・・・。