東西に細長い敷地に建つタウンハウス。大きな門(ゲート)に見立てた2台分のガレージは、
玄関へのアプローチも兼ねている。
株立ちのシマトネリコが植わる玄関前の坪庭は、わが家へと帰って来た家人、あるいは来訪者を優しく迎える癒しの空間。
隣家が敷地の際まで迫る密集した住宅地にあって、最大限の採光と通風を確保できる位置に庭を設けることで、室内には陽光があふれ気持ちの良い風が通り抜ける。
またメープルのフローリングや柔らかい色調の木目で統一された家具や建具、落ち着いた風合いのある壁や天井が、北欧風のホスピタリティーを感じさせるナチュラルな雰囲気のを醸し出している。
浴室の外には、畳1枚分の小さな坪庭がある。柔らかな光に満ちた、坪庭に植えられた一本の樹木が一日の疲れを癒してくれる、小さいけれどもとても魅力的な坪庭である。
そして飾らない素朴なデザインは、庭にも表れている。春には花が咲き、夏には木陰をつくり、紅葉が秋の訪れを知らせる雑木風の庭が、都会にあっても四季の移ろいを感じさせる。
この家の優しく寛ぎに満ちた雰囲気は、住まい手との対話の中から生まれてきたもの。プランの機能性にこだわりながら、日常の生活がさりげなく豊かになる。そんな住まいになった。
所在地:愛知県名古屋市
主要用途:一戸建ての住宅
設計監理:architect6建築事務所
施工:株式会社ヤマシタ工務店
設計期間:2009年6月〜2009年10月
工事期間:2009年11月〜2010年4月
構造:在来木造 2階建て
敷地面積:159.29 m2 (48.27坪)
建築面積:94.97 m2 (28.63坪)
延床面積:155.27 m2 (47.05坪)