南垂れの急傾斜地に建つガレージハウス。
左官仕上げのボリュームの上に、白いタイル張りのボリュームを小さな角度でズラして重ねた。一見、不安定な構成は敷地の高低差によって更に強調され、重力に抗いながら地面から浮き上がっているかの様である。
アプローチもまた土地形状を活かし、前面道路から門扉を経て石張りのステップを数段下って玄関へ向かう様にデザインした。
さらに玄関を通り過ぎた先には、アウトドアリビングをレイアウト。隣地面は5メートル下に位置するので、まるで空中に浮かぶテラスの様な感覚を覚える。 エントランスの壁面にはハツリ仕上げのライムストーンを、天井にはモザイクタイルを施した。次に続くダイナミックなリビングへの序章の様な設えになっている。
そして吹き抜けのリビングもまた、南側隣地よりも地盤面が高い所にあるこの敷地の特色を活かした計画になっている。遮る物のない空を捕まえる大開口が生み出す開放的な空間は、無垢の木材から削り出されたオールの様なシーリングファンやスケルトン階段と相まり、まるでリゾートのような雰囲気を醸し出している。
所在地:愛知県
主要用途:専用住宅
設計監理:architect6建築事務所
施工:コーシンホーム
造園:景観設計ユリ
基本計画:2015年2月〜2015年4月
実施計画:2015年5月〜2016年6月
工事期間:2015年9月〜2016年8月
構造:在来木造 2階建て
建築面積:79.25m2(24.02坪)
延床面積:140.79m2(42.66坪)
写真撮影:ArchiPhoto KATO